「ねえねえマルルさん。今日はバブちゃんについて提案がほしいのよ。」
「うーん、そういわれても・・・。」
このやりとり、もうすでに5回目。
バブちゃんが家にやってきて1か月。
「お名前は?」
「バブリーです。」
バ、バブリー。
名前からして、何かをやらかしてくれそう。
前のメイドさんがリタイアしたので、新しくやってきたバブちゃん。
初日は大家さんも見張っていたし、しっかり四隅まで
掃除してたけど、最近はそーでもない。
私は自分も掃除好きじゃないし、あんまし気にならなくて。
まー休み休みやってくれれば、と思っていたら
本当にベランダに座って休んでた。しかも足には私のサンダル。
「あーこれ。寒いので使ってました、テヘ。」
このちゃっかり感。しかも脱がない。
「おなかすいたので、りんご食べます。ナイフ借りてます。」
水だけでチッチッとナイフをすすいでるし。
でも綺麗好きのインド人大家さんは、イージーゴーイングな
バブちゃんと合わない様子。
「バブちゃん、ちゃんと掃除してる?」
「あの子、ちょっとおしゃべりすぎじゃない?」
「前の人の方が良かったと思わない?」
うーん、そこまでバブちゃんも悪くないけど・・・
何度も聞かれるうちに、どうやら大家さんは
自分だけがバブちゃんに文句をつけて追い出すような
心の狭い悪者になりたくないのでは?と気がついた。
特に中学生の娘さんは、
「バブちゃんに別に悪いところないやん」と声高に主張して
いるようで、バブちゃんの力量はさておき
自分とそっくりな子がいるもんだ~、と懐かしくなった。
結局、バブちゃんはもう1か月様子見ということに。
ほっ。ちょっと安心。